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 渦鞭毛藻綱 DINOPHYCEAE 

 単細胞生物で,鞭毛(べんもう)をもち遊泳します。双鞭毛藻,帯鞭毛藻,回旋鞭毛藻などとよばれることもありますが,最近は,渦鞭毛藻とよばれることが多いようです。また,動物プランクトンとしても扱われ,その場合は,原生動物に含まれ,渦鞭毛虫とよばれます。また,このグループは,褐色鞭毛藻綱緑色鞭毛藻綱とともに,橙藻植物門(炎藻植物門ともよばれる)という1つの門にまとめられることもありますが,独立した門として扱われることもあるようです。葉緑体の色は,黄褐色,褐色が多いようですが,青緑色のものもあります。葉緑体を欠いているものもあります。
 図1に示したのは,ギムノディニウム(ハダカオビムシ)属 Gymnodinium の細胞構造ですが,これが渦鞭毛藻綱の基本構造としてもよいと思います。横溝は細胞を1周りしています。縦溝は腹側のみにあります。図1は,腹面からみたものです。横溝,縦溝に沿ってそれぞれ1本の鞭毛があり,横鞭毛,縦鞭毛とよばれます。横鞭毛は細胞を1周りする形になります。移動するときは,回転しながら泳ぎます。運動する速さはいろいろで,ペリディニウム(ウズオビムシ)属 Peridinium や,ギムノディニウム(ハダカオビムシ)Gymnodinium などではかなり速く泳ぐものがありますが,ケラティウム(ツノオビムシ)属 Ceratium ではあまり速くないようです。また,キストディニウム属 Cystodinium などのように,細胞増殖時以外全く運動しないものもあります。なお,鞭毛は細くてわかりにくいことが多く,特に,横鞭毛は,観察することは極めて困難です。
 このグループは,淡水にも,海洋にも多くの種類があり,極めて普通に出現します。特に海洋では種類が多く,形も生活様式もさまざまで,なかには,サンゴの共生藻となっているものもあります。このグループで特に注目すべきことは,しばしば異常増殖して赤潮を形成することです。この現象は淡水でも海洋でもみられますが,特に海洋では,しばしば水産業に大被害をもたらします。また,赤潮を形成しなくても,貝毒の原因となるものがあり,恐れられています。(貝毒は淡水ではきいたことがありません。)

 淡水に出現するものは,大きく3つに分かれます。第1のグループは無殻板類で,ギムノディニウム目に含まれます。細胞は殻板で被われていません。そのため,固定すると分解してしまうので,生体を観察しなければなりません。よく出現するのはギムノディニウム(ハダカオビムシ)Gymnodinium です。第2のグループは有殻板類で,ペリディニウム目に含まれます。細胞が何枚かの鎧板で被われています。この鎧板の枚数,配列,構成で分類されますが,困難なものが多くあります。多く出現するのは,ペリディニウム(ウズオビムシ)Peridiniumケラティウム(ツノオビムシ)Ceratium です。第3のグループは胞膜皮類で,ディノコックス目に含まれます。細胞が被殻で包まれ,普段は固着生活をしています。あまり多くは出現しません。があるものが多く出現する属です。

   ・アンフィディニウム属 Amphidinium 
 ・ギムノディニウム(ハダカオビムシ)属 Gymnodinium 
   ・グレノディニウム(タマオビムシ)属 Glenodinium
 ・ペリディニウム(ウズオビムシ)属 Peridinium
 ・ケラティウム(ツノオビムシ)属 Ceratium
   ・キストディニウム属 Cystodinium
   ・テトラディニウム属 Tetradinium

鞭毛藻写真検索(表示に時間がかかります)

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