このサイトの趣旨 このサイトで扱う生物について 同定のレベル このサイトの問題点

このサイトの趣旨と問題点


このサイトの趣旨

 このサイトは,前に公開していた「淡水プランクトンのページ」の改訂版,というよりまるっきり新しいものになっています。小学校,中学校,高校などの理科の項目の中には,必ずといっていいほど「淡水の微小生物の観察」があります。また,自由研究やクラブ活動で淡水の小さな生物の観察を行う人やグループも多いでしょう。実際,これらの「淡水微小生物」あるいは「淡水プランクトン」とよばれる小さな生物たちは,淡水生態系を根本から支える重要な生物で,これらの理解はきわめて重要で意義のあることです。しかし,そこでまず問題になること,それは「今見ている生物が何なのかわからない」ということです。初めて淡水の小さな生物を観察する人にとっては,顕微鏡下に現れた生物のほとんどのものは知らないし,見たことのない生物ばかりで,戸惑うことが多いと思われます。日本では「淡水プランクトン図鑑」が何点かありますが,いずれも線描画がのせてあり,記述も専門的で,ある程度の知識のある人にとっては非常に役に立つものですが,残念ながら初心者向きのものではありませんし,初心者が無理して使用すると,思わぬ誤解をしてしまう危険性もあると思われます。淡水プランクトンを扱ったサイトもいくつかありますが,見分けるのが難しい似たもの同士をどこで見分けるか,ということを詳しく説明しているものは残念ながらないようです。ならば自分で作ってしまおうということで,このサイトは,初めて淡水の小さな生物の観察を行おうとする人,まだあまりよく淡水の小さな生物について詳しくない人を対象に,属(種の1つ上の分類単位)レベルでの同定の手助けとなることを目的として作成されたものです。特に,「似ているものと見分け方」で,間違えやすいものと見分け方をなるべく多く解説していますが,おそらく他にはないこのサイトの特長と思います。見分け方はあくまでも正確さよりもわかりやすさのほうを重点的に採用しています。専門家の目からみればかなり無理のあるものや無茶なやり方に見えるものもあると思いますが,あくまでもこのサイトは初心者向けのものです。また,あまり似ていないものでも,少しでも間違える可能性がありそうなものはなるべく多くのせています。専門家の目からは「こんなものを間違うのか?」と思われるものも多いと思いますが,現に,学校の先生が制作したサイトや,大学,博物館などが制作したサイトでさえ,「こんな間違いするのか!?」と私がびっくりしてしまうような派手な大間違い(たとえて言うと,「ジョウザンミドリシジミとエゾミドリシジミを間違えた」というレベルではなく(そのレベルの間違いは私もいっぱいやってます),「イルカとサメを間違えた」といったレベルの大間違い)が結構あります。むしろ,私自身が「ここはいくら初心者でも多分間違わないだろう」と思い込んでしまっているものがまだまだあるのではないかと思っています。このサイトが,淡水の小さな生物の観察をしようとされている小学生(ただし,先生や保護者の方などと一緒に見ないとちょっと難しいところもあるかも),中学生,高校生の方,およびそれらの方々を指導される先生方,クラブ活動のリーダーの方,保護者の方,淡水の小さな生物に興味をもたれた一般の方などにほんの少しでもお役に立てればと考えています。本来このようなことは専門研究者がするべきことで,一介のシロウトに過ぎない私が,こんな企てをすること自体,身のほど知らずです。しかし,残念ながら,淡水プランクトンに関するサイトは腹立たしいほど少なく,初心者向けの同定の手助けとなるようなサイトは日本では皆無に近いといってよいでしょう。専門研究者による,もっと正確でわかりやすいサイトの登場を強く願うものです。

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このサイトで扱う生物について

 このサイトにおいては,淡水にすむ自由生活をする生物(すなわち寄生性でない生物)の中で,顕微鏡を使わないとよく観察できない小さな生物を扱います。具体的には1つの個体,または細胞が3mm以下のものを扱うことにします。このサイトでは,これらの生物のことを「淡水の小さな生物」と表現することが多いですが,「淡水プランクトン」という表現も同じ意味で使っています。ただ,「プランクトン」は本来浮遊生物の意味なので,誤解を招く危険性もあり,サイトのタイトルは元のまま「淡水プランクトンのページ」ですが,「淡水プランクトン」という言葉はあまり使っていません(プランクトンとは何か?参照)。これらの生物の中には,多数の細胞が集まって肉眼でも見えるような大きな群体を形成するものもありますが,そのようなものでも顕微鏡下でないと,個々の細胞の形などはわかりません。そのようなものもここではとりあげます。淡水の小さな生物には,和名の付いていないものが少なくありません。また,異なる本どうしで,同じものに違う和名が付いていたり,逆に違うものに同じ和名が付いていたりする場合もあり,いささか混乱しているように思われます。そこで,このサイトでは,属以上のレベルにおいて,和名が定着していると思われるものはそれを用い,それ以外は学名のカタカナ読みで表記することとしました。ただし,私の独断と偏見で勝手に判断したものです。生物の大きさは,どこを計っているかは一定していません。特に,長い突起をもつものについては,突起の長さを含めたり,含めなかったりしていますので,くわしくは個々の説明を見て下さい。図鑑においては,たとえば70μm〜90μmといったふうに,大きさの幅が記載されていますが,私はとてもそのような記載ができるほど多くの個体を見ていません。そこで,ここでは写真に写っている個体(もしくは群体)の長さを記載しています。したがって,このサイトに記載されている大きさが,その生物の大きさを代表しているとはとてもいえないことをおことわりしておきます。また,ここではアメーバなど形が一定でないものについても,写真に写った状態での長さを示しています。

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同定のレベル

 このサイトにおいては,属レベルでの同定の手助けとなることを目的としています。どうして種レベルの同定まで言及しないかというと,種レベルの同定は,ごく一部の例外を除くと,容易ではないからです。完璧な同定(同定可能な生物について,記載されている種については正確に同定し,記載がないものに関しては未記載種であると正確に指摘し,同定不可能な生物に関してはその理由を正確に指摘する)は,専門家(一口に専門家といっても細分化されていて,淡水の小さな生物全てに通じた専門家など絶対いないと断言してよい)でなければ不可能といってよいでしょう。したがって,ここでは種レベルの同定については一切述べていませんし,このサイトに掲載した写真については一応種レベルの同定をしているものが多いですが,信頼性はかなり低いです。蝶マニア,バードウォッチャー,植物愛好家などにとっては,「種名がわからない」ということがおそらく奇異に感じられると思います。生物は種名がわかって当たり前,と思っている人も結構多いでしょう。しかし,残念ながら,蝶や鳥,陸上植物のように,日本に生息する種がほぼ調べ尽くされた生物はそんなにはありません。淡水の小さな生物の中には,未記載種もいっぱいありますし,専門家の間でさえ同種か別種か意見が別れるものも多いです。電子顕微鏡や遺伝子解析など特別の装置を使わないと種レベルの同定が出来ないものもたくさんあります。また,いままで記載された全ての種が載っている図鑑などもちろんありませんし,本気で調べようと思ったら国内,外国の文献を数多く(半端な量じゃないし,なかなか見られないものも多い)目を通さなければなりません。さらに,特定のステージでないと種の同定が出来ないものもあります。しかも,酷似した種を見分けるには,よほどの専門知識と優れた観察眼がないと不可能です。そんなわけで,初心者には種レベルの同定はちょっと無理(もちろん私も無理),というわけで,ここでは主として属レベルの同定にとどめているわけですが,中には属レベルの同定すらも困難なものもあり,そのようなものは初心者でもわかるであろうと思われる範囲までの同定にとどめています。このサイトを見て物足りないと思うようになれば,もう初心者卒業です。もっと勉強したいと思ったら,もっと高度な内容の市販の図鑑,参考書や他のサイトなどをぜひ調べてみてください。

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このサイトの問題点

 淡水プランクトンの研究をしたこともなく,専門知識もなく,専門家の先生の指導をうけたこともなく,安物の顕微鏡が1つあるだけの一介の素人がこのようなサイトを作ろうというのはいささか無理があり,残念ながら致命的な欠点がいくつかあります。まず第1に,プランクトンの種の同定が不確かなものが多く,多数の同定の誤りがある可能性が高いことです。第2に,同定のために必要な最も重要なところが写っていないものが多いことです。第3に,ここにのせた写真はすべて私が撮影したもので,他から調達することは一切行っていません。したがって,当然のせるべき生物でも,写真が用意できなかったものはとりあげていません。その中には,Aphanizomenon(藍藻),RhizosoleniaAcanthoceras(Attheya)(珪藻),Hydrodictyon(緑藻),BlepharismaBursaria(繊毛虫),KellicottiaAnuraeopsis(ワムシ),PolyphemusLeptodora(ミジンコ)といった重要なものもあります。また,極めて不完全な写真しかないものもかなりあります。

そのほかにも問題点がかなりあります。それを以下に列挙します。 このように,極めて不完全な欠陥だらけのサイトではありますが,もし,このサイトをみて淡水プランクトンに興味をもたれた方が1人でもいらっしゃったならば望外の喜びです。

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