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繊毛虫はどんな生き物?

ゾウリムシ Paramecium ツリガネムシ Vorticella
ゾウリムシ ツリガネムシ


 繊毛虫といわれてもぴんとこない,という人でも,繊毛虫の1種であるゾウリムシの名前は知っていると思います。また,実際にゾウリムシを見たことのある人も多いでしょう。おそらく,ゾウリムシは淡水の小さな生き物の中では最も有名な生物といっていいでしょうし,ゾウリムシを使った実験を紹介しているサイトも数多くあります。ぜひ一度ご覧になってみて下さい。ほかにも,ラッパムシ,ツリガネムシなどの名前も知っている人は多いと思いますが,繊毛虫の仲間は他にも非常に多くの種類があり,極めて普通に,数多く見られるグループで,淡水の小さな生き物の中で重要なグループの1つです。すばやく泳ぎ回るもの,他物に付着していて体を伸び縮みさせているもの,他物の上をせわしなく走り回っているものなど,動きも種類によっていろいろあり,見ていても楽しい生き物です。
 繊毛虫は,1個の細胞からなる単細胞生物です。細胞表面の全部または一部に,繊毛とよばれる多数の細かい毛が生えていて,これを動かして,泳いだり,食物を取り入れたりします。細菌を食べているものが多いですが,小さな藻類,他の繊毛虫などを食べるものもいます。繊毛虫自身には葉緑体はなく,自ら光合成をすることはありませんが,細胞の中に緑藻のクロレラを共生させていて,その光合成産物を利用しているものは結構多く見られます。繊毛虫のおもしろい特徴として,細胞の核が大核と小核の2種類に分化していることがあげられます。大核は,細胞が生活するための遺伝子発現に使われ,小核はもっぱら有性生殖のときに遺伝情報を伝えるために使われます。このことは,遺伝学,発生生物学の方面から注目されているようです。細胞は普通細胞口をもち,ここから食物を取り入れます。淡水産のものは体内に収縮胞が発達しており,これで水分を排泄して浸透圧を調節します。
 繊毛虫は,淡水,海洋ともに多くの種があり,極めて普通に出現します。特に有機物で汚染された水域に多く,下水処理においても重要なグループです。しかし,重要なグループの割には,あまり分類の研究は進んでいません。固定すると収縮したり崩壊したりして何なのか全くわからなくなること,動きが速く観察しにくいこと,細胞表面や細胞内部の細かい形態の観察が必要なことなどにより,繊毛虫の同定はものすごく難しいものが多いからです。細胞の形も種類によりさまざまで,淡水の小さな生き物の勉強をはじめた人には,最初はちょっととまどうかもしれません。

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